まわりが敵だらけに見えてしまう心理②|「みんなに嫌われている」と感じる理由

みんなに嫌われていると感じて悩む女性

前回の記事では、
周りの人が敵のように見えてしまうとき、
その背景にどんな心の動きがあるのかについてお話ししました。

人との関係で傷つく経験が重なっていると、
相手の表情や言葉に敏感になり、

「嫌われたかもしれない」
「また傷つくかもしれない」

と、心が警戒しやすくなることがあります。

そして、そんなときに起こりやすいのが、

一人との関係が、いつの間にか
「自分対自分以外の全員」の関係に広がってしまうことです。

今回は、この心の動きをもう少し詳しく見ていきましょう。

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たった1人とのすれ違いが「みんなから嫌われた」に膨らむ理由

たとえば、職場でAさんとの関係がうまくいかなくなったとします。

以前より話しかけられなくなった
返事が少しそっけなく感じる、
どことなく避けられている気がする……。

すると、
「Aさん、私のこと嫌いなのかな」
という不安やショックが生まれますよね。

ここまでは「私とAさん」という、あくまで1対1の関係のお話です。

ところが、
不安や恐怖が強くなればなるほど、
頭の中で次のような連鎖が勝手に始まります。

「Bさんもそう思っているかもしれない」
「CさんもAさんから何か聞いているかも」
「きっと職場のみんなから嫌われている」

いつの間にか、
「私とAさん」だったはずの問題が、
「私対まわりの人全員」という巨大な敵との戦いへと膨らみ、
雪だるま式に恐怖が広がってしまうのです。

一つの出来事を「いつも」「みんな」に広げてしまう

私たちは、不安が強くなっているとき、
一つの出来事を広い範囲に当てはめて考えてしまうことがあります。

心理学では、こうした考え方を
「過度の一般化」
と呼ぶことがあります。

たとえば、

一人とうまくいかなかった
↓
「私は人間関係がいつもうまくいかない」

一度断られた
↓
「私は誰からも必要とされていない」

一人に嫌われた気がする
↓
「みんな私のことが嫌いなんだ」

というように、
一つの出来事から大きな結論へ飛んでしまうのです。

また、

「好かれているか、嫌われているか」
「仲間か、敵か」
「うまくいっているか、終わっているか」

というように、
物事を二つに分けて考えやすくなることもあります。

ですが、現実の人間関係には、その間にたくさんの
「まあまあ」「たまたま」という(グラデーション)のゾーンが存在します。

「たまたま今日は相手の体調や機嫌が悪かっただけかも」
「少し価値観は違うけれど、嫌っているわけではないな」
といった中間の可能性が、
不安でいっぱいのときは見えなくなってしまうのですね。

「みんな」という大きな塊を解体する

周りが敵だらけに感じるとき、自分以外の人たちが
「自分を攻撃する1つの大きなグループ」のように見えていませんか?

「みんな楽しそうにまとまっている」
「みんな上手に関係を築けている」
「私だけがその輪の外側にぽつんと弾き出されている」

そんな感覚に陥ると、
強い孤立感や「ここに居場所がない」という苦しさが生まれます。

ですが、一度立ち止まって全体を眺めてみてください。

そこにいる「みんな」は、
決して1つの気持ちで動いている巨大な塊ではありません。
一人ひとり違う考えを持った別々の人間です。

Aさんがあなたに抱いている印象と、
Bさん、Cさんが抱いている印象は全く別物です。
Aさんとは少し距離があっても、Bさんとは普通に話せるかもしれないし、
Dさんとはとても気が合うかもしれません。

人間関係は「自分対みんな」という集団戦ではなく、
どこまでいっても「私とあの人」という1対1の関係の集まりなのです。

「嫌われた気がする」と「嫌われている」は分けて考える

そんなとき、一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。

「今わかっていることは何だろう?」

たとえば、

「今日はAさんの返事が短かった」

これは、実際に起きたことです。

一方、

「Aさんは私を嫌っている」
「みんなも同じように思っている」

ここには、自分の受け取り方や想像も含まれています。

大切なのは、

事実と、自分の中で浮かんだ解釈を、一度分けてみること。

「私は今、嫌われたように感じている」

まずは、感じていること(解釈)だけがそこにある。

それだけでも、不安が一気に「みんな」へ広がっていくのを少し止めやすくなります。

相手との関係と、自分の価値は別のもの

もう一つ、大切にしたいことがあります。

誰かとうまくいかなかったとき、

「私には人として何か問題があるんだ」

というところまで考えが広がってしまうことがあります。

でも、人間関係には相性があります。

考え方も違います。
距離感も違います。
大切にしているものも違います。

一人との関係がうまくいかなかったことと、
あなた自身の価値は、別の話です。

Aさんとの関係は、Aさんとの関係。

Bさんとは、またBさんとの関係があります。

そんなふうに、人間関係を一つずつ分けて見られるようになると、

「自分対みんな」

だった世界が、少しずつ、

「私とAさん」
「私とBさん」
「私とCさん」

という、一人ひとりとの関係に戻っていきます。

「世界全体の敵」から「現実サイズの問題」に戻そう

「世界中が敵だらけだ」と感じて苦しくなったときは、
頭の中で大きくなりすぎた主語をキュッと小さく戻してあげましょう。

「私は今、世界中から嫌われているんじゃなくて、
Aさん1人との関係に不安になっているんだな」

そうやって少し具体的にしていくと、

「世界全部が敵」

という大きな苦しさから、

「この人との関係をどうしたらいいだろう」

という、考えられる大きさの問題に戻していくことができます。

そして、自分の考え方や人との距離の取り方には、
何か繰り返しているパターンがあるかもしれません。

次の記事では、
周りが敵だらけに感じるとき、自分の心を守りながら人との関係を見直していく方法
についてお話しします。

 

 

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