
「自分軸で生きるとラクになりますよ」
そんな言葉を聞くことがあります。
自分軸と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
「自分の意見をはっきり言うこと?」
「自分の好きなようにすること?」
「それって、わがままや自分勝手にならないの?」
そう感じる方もいるかもしれません。
私がお伝えしたい自分軸は、もっとしなやかなものです。
では、自分軸を取り戻すには、どうしたらよいのでしょうか。
一緒に見ていきましょう。
外側の「正解」に振り回される・・苦しい他人軸
たとえば、あまり気の進まない誘いを受けたとします。
本当は家でゆっくりしたい。
でも、
「断ったら感じ悪いかな」
「付き合い悪いって思われるかな」
「あ~あ、本当は行きたくないのになぁ。でも断ったらまずいよね」
そんなことを考えて、結局「行く」と答える。
そして当日。
楽しもうとはするけれど、どこか気持ちは重いまま。
帰ってきた頃には、ぐったり。

こんな経験、ありませんか?
他人軸に傾いているときは、
「私はどうしたい?」よりも、
「どうしたら相手に悪く思われない?」
が先に出てきます。
何かを選ぶたびに、
「みんなならどうする?」
「これが普通?」
「この選択で合ってる?」
と、自分の外に正解を探しにいくのです。

でも、外側の答えは一つじゃない
ここでやっかいなのが、
他人の価値観やものさしは、
人によって違うということです。
ある場面ではAさんから
「もっと自分の意見を言ったほうがいいよ」
と言われたのに、Bさんからは、
「ちょっと自己主張が強いね」
と言われる。
「え、じゃあ私はどうしたらいいの?」
ってなりますよね。
職場で求められる自分。
家族に接するときの自分。
友達といるときの自分。
場所が変わるたびに、「正解」も変わっていきます。
他人の価値観やものさし、機嫌の良し悪しだって 、天気のようなもの。
晴れる日もあれば、曇る日もある。
その空模様をずっと気にして、
「あの人が笑ってくれたから、今日の私は◎」
「反応がいまひとつだったから、私は△」
「嫌な顔をされた。やっぱり私が✕だったのかな」
と採点していたら、心が休まらないですよね。
外側の基準に合わせ続けるほど、
自分にダメ出しをする機会も増えていきます。
ここが、他人軸の苦しさのひとつです。
そして、自分がいつも相手に合わせていると、
今度は相手にも同じことを求めたくなることがあります。
「私は断らずに行ったのに」
「私だったら、そんな言い方しないのに」
自分が我慢して合わせているぶん、
相手にも同じ我慢を期待してしまう。
すると、
「私はこんなにしているのに」
という思いが積み重なって、
不満やイライラにつながっていきます。
自分軸は「人の意見を聞かない」ということではありません

では、自分軸になったら、
「私は私だから!」
と、人の意見を聞かなくなるのでしょうか。
自分軸は、そういう頑なさとは少し違います。
人の意見を聞いてもいい。
相談してもいい。
アドバイスをもらってもいい。
そのうえで最後は、
「私はどうしたい?」
と、自分の気持ちを大切にして選ぶ。
私がお伝えしたい「自分ファースト」は、そんな感覚です。
たとえば、先ほどの誘いの話なら、
「今日は疲れているから、今回はやめておこう」
と決めることもあるでしょう。
反対に、
「ちょっと疲れてるけど、この人には会いたいな」
と思って出かけることもあります。
同じ「行く」という選択でも、
「断ったら嫌われるから行く」
のと、
「私は会いたいから行く」
のでは、心の中はずいぶん違います。
ACや愛着の課題がある人ほど「帰る場所」が大切
アダルトチルドレンや愛着の課題を抱えてきた方の中には、
子どもの頃から周囲の空気をよく見ながら過ごしてきた方もいます。
「今、怒ってるかな」
「こんなこと言ったら困らせるかな」
「ちゃんとしていれば大丈夫かな」
そんなふうに、
相手の様子を見ながら自分の行動を決めることが身についていると、
大人になってからも、つい外側に正解を探しやすくなります。
だからこそ、自分軸を育てるときに大切なのは、
「もっと自分の意見を持たなきゃ」
と頑張ることよりも、
何かあったときに、自分のところへ戻ってこられる感覚を育てることだと思います。
自分軸の土台は、自分を信頼すること
自分の選択に自信を持つためには、土台になるものがあります。
それが、自分自身をどう扱っているかです。
いつも自分に、
「もっとちゃんとしなきゃ」
「これくらいできて当たり前」
と厳しい言葉ばかりかけていたら、
自分の選択を認めることが難しくなります。
小さな「できた」を、ちゃんと褒める。
思うようにできなかった自分も、そのまま受け止める。
「よく頑張ったね。次はどうしようか」
と自分と一緒に考える。
疲れた日は、自分にやさしくする。

そんな積み重ねが、
「私は私を信じていい」
という感覚につながり、
自分のところへ帰ってこられる場所を持つこと
でもあると思っています。
そして、自分ファーストは
「自分さえよければいい」ということでもありません。
自分もOK。相手もOK。
まず自分の気持ちや価値観を大切にしながら、
相手のことも尊重する。
そんな関係が、自分軸のしなやかさだと思います。
自分もOK(自分ファースト)=自分の価値観、気持ちを大切にできる
相手もOK=相手の意見、自分と違う部分も大切にできる
自分軸を少しずつ取り戻していこう
自分軸は、ある日突然「完成」するものではありません。
仕事では自分で決められるのに、
恋愛になると相手の反応が気になることもあるでしょう。
家族には言えることが、友達には言いにくいこともあります。
そんなときは、
「今、私は誰の目を気にしてる?」
「これは私が選んでる?それとも誰かの正解に合わせてる?」
「私は、本当はどうしたいの?」
と、自分に問いかけてみてください。
人の価値観や反応は外側のもので、これからも変わります。
だからこそ、自分の中に帰ってこられる場所を育てていく。
自分を大切に扱いながら、人生のハンドルを少しずつ自分の手に戻していく。
それが、あなたらしく、しなやかに生きる自分軸につながっていきます。

当カウンセリングルームでは
自然体で心地よい選択ができるあなたになる心のサポーター
というコンセプトを掲げています。




