②怒りにやさしく気づく練習——心がほっとするアンガーマネジメント

\怒りを見つめるシリーズ・第2回/
心の奥にある“怒り”の気持ちを、少しずつほどいていくための連載です。
感情に振り回される日々から、自分の心を穏やかに見つめる時間へ。

「また感情的になってしまった」
「言いすぎて後悔している」

そんな瞬間に、ふと自己嫌悪がよぎることはありませんか?

でも実は、怒りはあなたが壊れているサインではなく、自分を守ろうとする力です。
だからこそ、抑え込むよりも、少し距離を取って見つめることが大切。

この記事では、怒りと穏やかに向き合うための小さな練習を紹介します。
がんばるのではなく、心の声を聴くように読み進めてみてくださいね。

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アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りを抑えつける訓練ではなく、
怒りを理解し、適切に表現するための心理的スキルです。

怒りをゼロにするのではなく、
「怒る必要のある場面」と「怒らなくてもいい場面」を見分け、
自分の感情を選べるようになることが目的です。

この力がつくと、
感情に振り回されることが減り、
人間関係のストレスも少しずつ軽くなっていきます。

怒りの波にのまれそうなときにできること

怒りのピークは、ほんの数秒です。
その一瞬をやり過ごすことで、行動を選び直す余裕が生まれます。

①6秒カウントする

カッとなった瞬間、深呼吸をしながら「1、2、3…」と数えましょう。
たったそれだけで、心の勢いが少し緩みます。

②今の怒りを点数にしてみる

「この怒りは10点中いくつくらい?」と考えてみてください。
数字に置き換えるだけで、感情が“見える化”され、冷静さを取り戻しやすくなります。

③一週間後にも同じことで怒っているか想像する

「来週もこのことを気にしているだろうか?」と自分に問いかけてみる。
多くの場合、「もう忘れているかも」と気づけます。

「怒りの扱い方」を練習する

アンガーマネジメントは、知識よりも日々の小さな練習が大切です。
完璧を目指さず、「昨日より少し冷静だったら合格」くらいで十分です。

・怒りを感じた出来事をメモする
・怒らずに伝えられた日を褒める
・イライラしたら深呼吸を1回だけしてみる

こうした小さな積み重ねが、感情との距離を変えていきます。
感情は敵ではなく、あなたの心の一部。
上手に扱えるようになるほど、心は静けさを取り戻します。

自分の限界を知ることも、コントロールの一部

どんなに練習しても、人は完璧にはなれません。
それでも、怒りをぶつける前に「今、疲れているな」「余裕がないな」と気づけたら、
それがもう立派なアンガーマネジメントです。

怒りを感じる自分を否定せず、
「今の私には休息が必要」と理解する。
それだけで、心の暴走は少しずつ静まります。

小さな気づきを積み重ねる

アンガーマネジメントは、怒らないことを目指す練習ではありません。
「怒りを感じた自分をどう扱うか」を学んでいく過程です。

今日もし少しでも、
「前より落ち着いて話せた」
「言葉を飲み込めた」
そんな瞬間があったなら、それは大きな一歩。

感情の波を完全に消す必要はありません。
大切なのは、波の中で自分を見失わないことです。

少しずつ、自分の感情を扱えるようになるその過程が、
心を穏やかにしていくのです。

まとめ

怒りをなくすのではなく、
「怒りを選べる自分」になること。

それが、アンガーマネジメントの本当のゴールです。

心を整えるとは、感情を押さえ込むことではなく、
どんな感情が来ても「自分で選ぶ力」を育てていくこと。

怒りと向き合うたび、
あなたの中の思いやりと強さが確かに育っています。

安心の居場所

もし「怒りに疲れてしまう」「誰かを傷つけたくない」と感じているなら、
一人で抱え込まなくて大丈夫です。

カウンセリングでは、感情の奥にある本当の思いを一緒に探しながら、
あなたが安心して過ごせる心の場所をつくっていきます。

穏やかでいられる日々を、あなたのペースで育てていきましょう。

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