
私たちは日々、
たくさんの言葉を交わしながら生きています。
会話の中で自然に使っているその一つひとつが
思っている以上に心へ影響を与えているのかもしれません。
たとえば
ふと耳にした優しいひと言で呼吸がゆるむ瞬間があったり
逆に何気なく言われた言葉が
いつまでも胸に残ることがあったり。
「言葉って、大切に扱うほど
自分を守ってくれるものかもしれない」
そんな視点でお話しを進めていきましょう。
「言葉」は気持ちを届けるツール
私たちが誰かと向き合うとき
心の中にある想いを相手に届けてくれるもの。
それが「言葉」です。
子どもがお母さんの言葉をそのまま信じて育つように
医師の「大丈夫ですよ」というひと言に
安心を覚えるように
言葉はいつだって感情に寄り添い
私たちを支える役割を持っています。
けれど反対に、
何気なく放ったひと言が
深い傷になってしまうこともありますよね。
どれだけ親しい関係でも
ほんの少しの言葉のすれ違いが
距離を生み出すことがあります。
だからこそ
人が口にする言葉には
「心を動かす力がある」と言えるのだと思います。
自分に向ける“セルフトーク”は、心の質を変えていく
他人にかける言葉の影響については理解しやすい一方で
自身自分に対してどんな言葉をかけているかは
案外見落としがちです。
「私ってダメだな」
「どうせうまくいかない」
そんなセルフトークを毎日浴びていたら
心は自然と沈んでしまいます。
逆に、たったひと言でも
やさしい言葉を自分にかけると
肩の力がふっと抜けたり、
思考の方向が少し前に向いたり。
言葉は、たしかに心の土台を整えてくれるんです。
心理学では
思考の傾向が感情や行動につながり
それが習慣や価値観に影響していくと
言われています。
だからこそ、セルフトークは
「これからの自分」を育てるための大事な土台。
丁寧に扱うほど
私たちの内側が整っていきます。
日常に取り入れやすい「前向きな言葉」の習慣
前向きな言葉を使うことは
無理に明るくふるまうこととは違い、
気持ちを抑え込むこととも違います。
落ち込んでいるときに
無理やり元気な言葉を言う必要はありません。
たとえば、
「また同じミスをしてしまった…」
と凹んでしまう日もあれば
誰かのひと言を気にして眠れなくなる…
そんな日もあります。
まず必要なのは
「前向きな言葉」よりも、
自分を責める声から距離を置く言葉。
「大丈夫、今のままの私でいい」
「その考え、少し置いておこう」
「よしよし、今日の私はよくがんばった」
「つらいって思っていいよ」
「いまはただ、息をしていれば大丈夫」
まるで重たくなったバッグをベンチに置くみたいに
心がちょっと軽くなります。
心に少し余白が戻ってきたら
そのあとに
やさしい響きの言葉を一つ拾ってみるだけで
気持ちはゆっくり整っていきます。
たとえば、こんな言葉たち。
・ついてる
・うれしい
・楽しい
・幸せ
・ありがとう
・許します
・感謝します
これらは、単なるポジティブワードではなく
心の緊張をほどき
やわらかく包み直してくれる
あたたかい言葉なんです。
苦しいときほど、
小さな前向きワードを一つだけ拾ってみる。
それだけでも
気持ちの向きがゆっくり変わっていきます。
言葉が未来をつくるという視点
マザーテレサの有名な言葉があります。
思考に気をつけなさい。
それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。
それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。
それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。
それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。
それはいつか運命になるから。
この言葉を読み返すたびに、
私たちが日々選んでいる小さな言葉が
これからの時間に
大きな影響を与えていることに気づかされます。
言葉を変えるというのは
今の自分を否定したり、別人になることではありません。
「今日の私を少しやさしく扱う」
その小さな選択を積み重ねるだけで
未来の流れはゆっくりと変わっていくんです。
まとめ―小さな行動提案
今日からできることは、とてもシンプルです。
自分の口から出る言葉を
すこし丁寧に扱ってみましょう。
できたときは
「よし、今日の私いい感じだね」と
声をかけてあげてくださいね。
自分の心にやさしさが戻ってくると、
人とのやりとりも少しずつやわらかくなっていきます。
その積み重ねが、あなたの心を少しずつ整え
毎日の景色を少しずつ明るくしてくれます。
お話ししてみませんか?
もしも
「自分にやさしい言葉をかけるのがまだ苦手だな…」
と感じるときは
一緒に言葉の整理をしてみませんか?
心の声を丁寧に扱う時間は
気持ちの流れを大きく変えていきます。
あなた自身の心に、贈り物のような時間を。
必要なときは、いつでも受けとめますね。


